ニュートン算ざん

へらしている間にも、ふえ続ける。行列や牧草の問題を、はじめの量・ふえる量・へらす量で整理します。

受付を始めたとき、60人 の行列ができています。行列には、毎分 6人 ずつ人が加わります。窓まど口1つでは、毎分 4人 の受付をします。

窓まど口の数を かえて、行列がなくなるまでの時間を くらべてみよう!

行列

大きいアイコン1つ=10人

受付

窓まど口毎分4人
窓まど口毎分4人
窓まど口毎分4人

0分後

行列 60人

スタート前

  • ふえた人数:6×0=0人
  • 受付した人数:3×4×0=0人
  • 行列の人数:60+0−0=60人
  • 1分ごとに 6人 ふえて 12人 受付するので、行列は 12−6=6人 ずつ へるよ。

ニュートン算とは? 行列と窓口の線分図でわかる解き方と教え方

ニュートン算は、「へらしている間にも、ふえ続けるもの」の量を考える特殊算です。 行列に人が並び続ける中で受付をする、牧草が伸び続ける中で牛が草を食べる、といった場面を扱います。

このページの上にあるシミュレーターでは、行列と受付の窓口を使って、1分ごとに「ふえた人数」「受付した人数」「行列の人数」がどう変わるかを確かめられます。 この記事では、保護者の方向けに、ニュートン算の考え方と、家で教えるときのポイントをまとめました。

ニュートン算とは

ニュートン算は、次のような問題です。

イベントの受付を始めたとき、受付の前には60人の行列ができていました。行列には、毎分6人ずつ人が加わります。窓口1つでは、毎分4人の受付をします。窓口を3つ開けると、何分で行列がなくなりますか。

ポイントは、次の3つの量の関係を整理することです。

  • はじめにある量(はじめの行列の人数)
  • ふえる量(毎分、行列に加わる人数)
  • へらす量(毎分、窓口で受付する人数)

名前は、アイザック・ニュートンに由来するとされています。ニュートンの著書『Arithmetica Universalis(普遍算術)』に、牧草地で牛が草を食べる問題があるとされています(出典:Wikipedia「ニュートン算」)。

題材が変わっても、考え方は同じです。

題材 はじめにある量 ふえる量 へらす量
行列と窓口 はじめの行列の人数 毎分、行列に加わる人数 窓口が毎分受付する人数
牧草と牛 はじめに生えている草の量 毎日、伸びる草の量 牛が毎日食べる草の量
水そうとポンプ はじめに入っている水の量 毎分、流れこむ水の量 ポンプが毎分くみ出す水の量

解き方1:1分間にへる量を考える

まずは、はじめの人数・ふえる人数・受付する人数が全部わかっている、いちばん基本の形です。上の例題で考えます。

  1. 1分間に受付する人数を出す:窓口3つで、3×4=12人
  2. 1分間に行列がへる人数を出す:受付で12人へるが、同時に6人ふえるので、12−6=6人ずつへる
  3. 割り算で求める:はじめの60人が1分間に6人ずつへるので、60÷6=10。10分で行列がなくなる
  4. 検算する:10分間で、はじめの60人とふえた 6×10=60人を合わせて120人。窓口3つが受付するのも 3×4×10=120人で、ぴったり合います
3つで10分受付 120人はじめ 60人ふえた 60人
10分間で受付した120人は、はじめの60人と、ふえた60人を合わせたもの

大事なのは、「受付した人数=はじめの人数+ふえた人数」という関係です。 受付だけを考えて 60÷12=5分 としてしまわないように注意しましょう。

解き方2:2つの条件から考える

ニュートン算では、はじめの人数や毎分ふえる人数が問題に書かれておらず、2つの条件から求める形もあります。

窓口1つでは、毎分4人の受付をします。窓口を2つ開けると30分で、3つ開けると10分で、行列がなくなります。窓口を4つ開けると、何分で行列がなくなりますか。

2つの条件を、上下に並べた線分図で考えます。

① 2つで30分受付 240人はじめ ?人ふえた 180人② 3つで10分受付 120人はじめ ?人ふえた 60人③ 4つで?分受付 ?人はじめ ?人ふえた ?人差 120人
どちらも「はじめの人数」は同じ。受付した人数の差120人は、時間の差20分でふえた人数
  1. 受付した人数を出す:窓口2つで30分なら 2×4×30=240人、窓口3つで10分なら 3×4×10=120人
  2. 差から、毎分ふえる人数を出す:はじめの人数はどちらも同じなので、240−120=120人の差は、30−10=20分の間にふえた人数。120÷20=6 で、毎分6人ふえている
  3. はじめの人数を出す:30分でふえたのは 6×30=180人。240−180=60 で、はじめは60人
  4. 答えを出す:窓口4つなら、1分間に 4×4=16人受付して6人ふえるので、16−6=10人ずつへる。60÷10=6 で、6分
  5. 検算する:6分間で、60+6×6=96人。窓口4つが受付するのも 4×4×6=96人で、ぴったり合います

ここで大事なのは、2つの条件の差をとると、「はじめの人数」が消えることです。 残った差が「ふえた人数の差」なので、時間の差で割ると1分あたりの量がわかります。

同じ考え方で、「6分で行列をなくすには、窓口がいくつ必要か」も求められます。 6分でなくすには、はじめの60人と、6分でふえる 6×6=36人を合わせた96人を受付します。1分間に 96÷6=16人の受付が必要なので、窓口は 16÷4=4つです。

なお、窓口1つが受付する人数も書かれていない問題では、それを「①」とおいて比で考える解き方があります。このページのシミュレーターでは、窓口1つが受付する人数がわかっている問題だけを扱っています。

題材が変わっても同じ:牧草と牛

牧草と牛の問題も、同じ手順で解けます。

ある牧場で、牛10頭を放すと20日で、15頭を放すと10日で、草を食べつくします。草は毎日同じ量ずつ伸びます。牛25頭を放すと、何日で食べつくしますか。

牛1頭が1日に食べる草の量を1とすると、窓口1つが毎分受付する人数を1とした行列の問題と同じ形になります。

  • 食べた量:10×20=200、15×10=150
  • 毎日伸びる量:200−150=50 を、20−10=10日で割って、50÷10=5
  • はじめの草の量:200−5×20=100
  • 牛25頭なら、1日に 25−5=20 ずつへるので、100÷20=5。5日で食べつくす

「窓口」が「牛」に、「分」が「日」に変わっただけで、考え方はまったく同じです。

子どもがつまずきやすいポイント

1. ふえる量を忘れる

行列の問題なら、受付をしている間にも人が加わり続けていることを忘れて、「はじめの人数÷受付する人数」としてしまいます。 シミュレーターの体験モードで、1分ごとに「ふえた人数」と「受付した人数」が両方変わっていく様子を見ると、実感しやすくなります。

2. ふえる量を、引くか足すかで迷う

行列が1分間にへる人数は「受付する人数−ふえる人数」です。 ここを足してしまわないように注意しましょう。「受付でへって、同時にふえるから、へる人数は少なくなるね」と、言葉で確認するのが効果的です。

3. 時間の差で割り忘れる

2つの条件の差(上の例では120人)は、そのまま「毎分ふえる人数」ではありません。時間の差(20分)の間にふえた人数です。 線分図で「差の部分が、何分の間にふえた分か」を指さして確認しましょう。

4. はじめの人数を出すときに、ふえた分を引き忘れる

受付した人数(240人)には、あとからふえた人も入っています。はじめの人数は、受付した人数からふえた人数を引いたものです。

5. 窓口が少なすぎると、行列はへらない

窓口全体の受付人数が、毎分ふえる人数以下だと、行列はいつまでもなくなりません。上の例なら、窓口1つ(毎分4人)では、毎分6人ふえる行列はかえって長くなります。 シミュレーターで窓口を1つにすると、この様子を確かめられます。答えが出たら、「受付する人数>ふえる人数」になっているかも確かめる習慣をつけましょう。

家での教え方

まずは「1分ごとの表」で規則に気づかせる

式に入る前に、1分ごとの行列の人数を表にしてみるのがおすすめです。解き方1の例題(窓口3つ)なら、次のようになります。

時間 ふえた人数 受付した人数 行列の人数
0分 0人 0人 60人
1分後 6人 12人 54人
2分後 12人 24人 48人
3分後 18人 36人 42人
… … … …
10分後 60人 120人 0人

「行列が1分に6人ずつへっていく」ことにお子さん自身が気づけば、「60÷6」という式の意味が自然にわかります。 シミュレーターの体験モードは、この表を1分ずつ動かしながら確かめられるように作っています。

窓口の数を変えて比べる

窓口を2つ、3つ、4つと変えると、行列がなくなるまでの時間は30分、10分、6分と変わります。 窓口を1つふやすだけで時間が大きく変わること、窓口が少なすぎると行列がへらないことを体験すると、「ふえる量」と「へらす量」の関係が実感できます。

2つの条件の問題は、線分図を自分でかく

2つの条件の問題は、線分図が頼りになります。 「はじめの人数」をそろえて上下に並べ、差の部分がどこかを確かめながら、お子さん自身がかけるように練習しましょう。

まとめ

  • ニュートン算は、「はじめにある量」「ふえる量」「へらす量」の3つを整理して考える
  • 行列が1分間にへる人数は「受付する人数−ふえる人数」。はじめの人数をこれで割ると、なくなるまでの時間が出る
  • 2つの条件があるときは、受付した人数の差を時間の差で割って、毎分ふえる人数を出す
  • 行列と窓口、牧草と牛、水そうとポンプなど、題材が変わっても考え方は同じ
  • 家では、1分ごとの表で規則に気づかせる → 窓口の数を変えて比べる → 線分図を自分でかく、の順がおすすめ

まずはページ上部のシミュレーターで、お子さんと一緒に窓口の数を変えながら、行列がなくなるまでの時間を比べてみてください。